こんにちは!

名古屋市中区新栄にある、

株式会社ゼニタリハビリテーション部で

かきぬま整形外科に出向している

理学療法士の宮地 祐太朗です!

前回、前々回のブログでは、水溶性ビタミンのビタミンB群、ビタミンCのお話をしました。今回は、脂溶性ビタミンの1つである『ビタミンA』についてお話しようと思います。

 

そもそもビタミンAとは、単独の栄養素と考えがちですが、実際には「レチノール」、「レチナール」、「レチニルエステル」などの脂溶性の化合物の総称です。

 食べ物の中で見つかるビタミンAには2種類の形態があります。
1つは、すでに形成されたビタミンA、「レチノール」や「レチニルエステル」などがあります。これらは乳製品、肝臓(レバー)、魚類などの動物性の食事に主に含まれます。
2つ目は、「カロテノイド」などのビタミンAの前駆物質で、フルーツ、野菜、植物油などの植物性の食事に豊富に含まれています。この前駆体を体内で利用するためには、「レチナール」や「レチノール」などの活性化された形態のビタミンAに変換する必要があります。

脂溶性ビタミンのビタミンAは、のちにエネルギーとして利用するため、体内の組織に貯蓄されます。ほとんどは肝臓にレチニルエステルという形で蓄えられます。

 

続いて、作用についてお話します。

 ビタミンAは、細胞の成長、免疫機能、赤ちゃんの発達と視覚などを助け、人の健康のために不可欠な栄養素です。ビタミンAの機能は、目の健康に関わるということが有名ですよね!では、その仕組みをご説明します。

ビタミンAは角膜と呼ばれる眼球の最も外側に位置する層(眼球を覆う層)と、結膜と呼ばれる眼球とまぶたの内側を覆っている層の保護と維持に働きます。さらに、ビタミンAの1つである「レチナール」はオプシンと呼ばれるタンパクと結合して、色の認識と暗い場所での視覚をつかさどるロドプシンと呼ばれる分子を形成します。

 

 また、ビタミンAはT細胞と呼ばれる体を感染から守る白血球の一種の成長を助け、免疫機能を補助するだけでなく、健康な皮膚を維持し、男性と女性の生殖、胎児の発達なども助ける効能があります。

 つまり、ビタミンAは、健康な眼球、視覚、免疫機能、細胞の成長、生殖機能・胎児の発達などのために必須な栄養素なのです!

ビタミンAの効能が沢山ある事はわかりましたね。
次に、ビタミンAが不足すると起こるリスクについてお話します。

1つは、失明の可能性が一気に高くなります。さらに、麻疹や下痢などの感染の重症度や、死亡リスクを上昇させるだけでなく、妊婦における貧血や死亡などのリスクを上げるほか、胎児の成長発達を遅延させるなどの影響もあるとされています。

逆に、ビタミンAの取りすぎもよくありません。ビタミンAの過剰摂取は、毒性の作用をもたらし、肝蔵の障害、視覚異常、嘔気、さらには死亡などを起こし得ます。そのため、医師から処方されない限りビタミンAのサプリメントを多量に内服するのは避けましょう。 

厚生労働省では、推奨されるビタミンAの1日摂取量は成人男性で900mcg、女性で700mcgと定めています。自然食品の摂取によって容易に達成することが可能です。しかし、中毒症状を防ぐために3,000mcgを超えないようにすることも重要です。

 

ビタミンAは、時間をかけて体内に蓄積されていきます。健康でバランスの取れた食事を摂取することが、安全な量の不可欠な栄養素を摂取するために重要なので、一度ご自身の食生活を見直してみてください!