こんにちは!株式会社ゼニタの服部です。今日は筋肉と骨貯金についてお話をさせていただきます。

65歳を過ぎて要介護になった人の主な原因に「脳卒中」「認知症」「老衰」に加えて、「骨折・転倒」と「関節疾患」があります。

これらを予防し、年をとっても自立して楽しく生活していくために、若いうちから心がけるべきことがあります。足腰の衰えは健康寿命に直結します。高齢者の中には、転んで脚の骨を折ったことをきっかけに歩けなくなり、要介護になってしまう人が少なくありません。

2016年の「国民生活基礎調査」によると、高齢者が要介護になった原因の第4位が「骨折・転倒」で12.1%、第5位が「関節疾患」で10.2%となっています。要介護の前に要支援という軽い段階がありますが、要支援になる一番の原因は関節疾患といわれています。年をとると関節が弱くなる。特に太っている人は膝の関節に負荷がかかります。関節の負荷を減らすには、周りの筋肉を鍛えることです。膝周りの筋肉を鍛えると関節の負担が減り、将来、膝が痛くなることの予防にもなります。

筋肉の老化は、早くも30歳前後から始まります。放っておくと脚の筋肉は年2%のペースで減り続け、80歳を迎えたときには30歳前後の半分以下になります。骨も20歳前後をピークに密度が減り、スカスカになっていきます。男性は80歳、女性は65歳になると約半数が骨粗しょう症と診断されるようになります。骨がもろくなれば、ちょっと転んだだけでも折れやすくなります。特に大腿骨の根元(大腿骨頸部)を骨折すると歩行能力が著しく低下し、そのまま歩けなくなってしまいます。

しかし、筋肉や骨量の減少は生活習慣で抑えることができます。何歳になってからでも骨量や筋肉を増やすことはできます。もちろん、早ければ早いほど良いのです。若いうちからそういう生活習慣を持てば、年をとっても骨量や筋肉を大きく減らさないようにできます。つまり、年をとってからの関節疾患や、要介護につながる骨折・転倒を防ぐには、まだ若い30~40代のうちから骨と筋肉の貯金”を心がけることが大切です。

 骨を強くする日常生活の3原則として、「食事」「日光」「運動」があります。

骨はカルシウムでできているため、骨を強くするには、まず原料となるカルシウムを積極的に補給する必要があります。さらに、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、カルシウムの骨への沈着を進めるビタミンKも重要です。この3つの栄養素が骨を強くします。ビタミンDは不足すると骨がもろくなるだけでなく、糖尿病や高血圧のリスクも高くなります。食品ではアジやサバなど青魚に多く含まれます。肌に日光を浴びることでも合成されます。日光を避けるようになった現代人はビタミンDが足りなくなりがちです。日光を浴びることも必要です。日焼け対策で肌を露出しないようにしている人は、とりわけビタミンDを多く含む食品を積極的に取り入れましょう。

骨粗しょう症予防には運動も欠かせません。特に垂直方向に刺激を加えることで、骨量が増えて骨が強くなります。垂直方向に刺激を加える運動法というと縄跳びやジャンプを思いつきますが、スクワットや立ち座りで下半身の骨に体重を加えることが効果的です。転倒や膝の痛みを予防するには、下半身の筋肉を鍛えることです。特にスクワットは脚を伸ばす筋肉と曲げる筋肉の両方を鍛えられるうえ、垂直方向に刺激が加わるため、骨量も増やす効果的な運動になります。太ももの大腿四頭筋は人体最大の筋肉なので、少し鍛えるだけでトータルの筋肉量が増えるというメリットもあります。