こんにちは、株式会社ゼニタの服部です。本日はコロナワクチンの接種に悩まれている方にお話をさせて頂きます。今、誤情報を信じて接種をためらう方が多くあります。千葉大学医学部附属病院の感染症医の谷口俊文先生は、新型コロナウイルス感染症やワクチンに関する情報を発信する「こびナビ」で幹事を務められています。谷口先生のお話の一部を紹介させて頂きます。

 今年1月、日本でも医療従事者へのワクチン接種が始まる前に、いくつかの病院で行われた接種希望調査。その結果に、谷口先生は危機感を持たれたそうです。「50%ほどしか希望者がいなかったのです。医療従事者が打たないものを、一般の方が安心して打てません」ワクチンに関するさまざまなデマが、多くの人の不安をかきたてる状況でした。「遺伝情報が書き換えられる」「不妊になる」、なかには「ワクチンを打つと体内にチップが埋め込まれて監視される」といった荒唐無稽なものなど、次々と誤情報は出てきました。

①不妊になったり流産したり胎児に悪影響がある?
米ファイザーや米モデルナのワクチンは「mRNAワクチン」と呼ばれるタイプのものです。すなわち、ワクチンがターゲットとする「スパイクたんぱく質(コロナウイルスの表面にある突起状のたんぱく質)」の形と、胎盤の形成で重要な「シンシチン‐1」というたんぱく質の構造が似ているため、接種によってできる抗体がこのたんぱく質を攻撃し、その影響で不妊になったり流産したりするという情報がネットで広がっているのです。それに対し、谷口医師は「誤情報です」と断言されています。「米国では14万人の妊婦がmRNAワクチンを打っていますが、通常の妊娠の経過と、流産の発生率などがまったく変わらないという結果も出ています。大方の見方として影響はないと考えられます。

 日本産婦人科感染症学会の広報理事を務める早川智先生は「たんぱく質の構造が似ている」という前提がそもそも間違っていると話されています。似ているところはほとんどありません。すでに多くの臨床例があり、また、接種した若い女性が不妊になるという問題も報告されていませんので安心して大丈夫です。ちなみに接種後の授乳も、母乳の中にワクチン成分は出てきませんので問題ありませんと言われています。

②何年か後になって重い副反応が出る?
10年、20年後にもっと怖い副反応が出るのではないか。そんな不安に駆られる人もいます。だが、谷口医師は「非常に考えにくい」と話されています。一般的にワクチンの副反応は6週間以内に起こります。mRNAワクチンでも、接種したものが長く体の中に残ることはなく、分解されたりしてすぐになくなってしまいます。長期的なスパンでの副反応は考えにくいのです。

③アレルギーがある人は接種すると危険?
接種を躊躇する理由になりがちなアレルギーを持つ方があります。谷口先生、早川先生はともに「大丈夫」と話されています。「接種後にアナフィラキシーを起こした方は、食品や医薬品など何らかのアレルギーのある方が多いという米国のデータはあります。ですが日本で8月、厚生労働省の副反応検討部会が発表した結果はファイザー製で100万回の接種でアナフィラキシーは4件。接種会場では万全の態勢で臨んでいて、すぐに対応できるので過度な心配はいりません」(谷口医師)

特定のものに対して起きるのがアレルギー。あり得るとすれば、コロナワクチンに使用されている添加剤『ポリエチレングリコール』など、『特定のワクチンの特定の成分』に対するアレルギーがある人は『要注意』とされていますが、それ以外にアレルギーを持つ方は、とくに問題ありません」(早川医師)

④ワクチンで遺伝情報が書き換えられる?
「mRNAワクチンは脂(脂質ナノ粒子)に包まれていて、筋肉注射されることで体の細胞の中に入っていきます。遺伝情報が書き換えられるには、mRNAが核の中に入り、人間のDNAの中に組み込まれなければならないのですが、私たちの体の中はそんなことが起こらないシステムになっています。

⑤ワクチンを接種後に亡くなる人がいる?
ワクチン接種後の死亡者の報告数は厚労省が発表します。それを使って不安を煽(あお)ろうとする人たちが存在します。接種直後に死亡報告が集中していることから「直後にこんなに死んでいる」と強調し、グラフと共に拡散します。もちろんワクチン接種後のワクチンと関係ない自然死も発生します。接種後に時間が経過すると、死亡を報告しなくなる傾向がありますので、『因果関係があることの証明』にはならないと谷口先生は言われています。

私たちは、絶えず多大な情報を目にして信実を問う事も確認することもしないで不安になり、誤解してしまう事も多くあります。「SNSであれば実名で情報を発信し、身分もきちんと明かしている人を中心に情報を得ていただくようにする、ある1カ所からの情報を全面的に信じるのではなく、それをくらべっこして自分でよく考える事が大切であると思います。