皆さん、こんにちは。名古屋市中区新栄にある、銭田治療院千種駅前の水野です。
日本各地で初雪が見られ、紅葉も見ごろのピークとなり冬の訪れを感じるそんな季節となってきました。また12月7日は大雪(たいせつ)と言い二十四節気の1つであります。意味は「雪いよいよ降り重ねる折からなればなり」 と記されていて、日に日に寒さが増し、地方によっては雪が降り積もり、様々な動物が冬眠に入る時期という意味です。(歴便覧:1787年、太玄斎 著)次の節気の冬至(今年は22日)にかけては一年で一番日の入が短くなり、夕方には暗くなるため一日が短く感じられます。
また12月8日はお釈迦様の御入滅された日とされ、涅槃会(ねはんえ)として、仏教徒の祭事の1つとされ参拝される日とされています。
これから年末に向けて仕事の締めや各家庭でも大掃除や新年に向けての準備で忙しい方多いと思いますが、インフルエンザや風邪も流行する時期ですので、くれぐれも体調には気をつけてお過ごし下さい。
下の写真は患者さんのご家族が制作した名古屋駅JRタワー前のクリスマスのイルミネーションの写真です。今回メリーゴーランドを下に配置された美しく面白い仕上がりで、行き交う多くの人々が写真を撮ったり、待ち合わせの目印にしたりと、ちょっとした話題のスッポトになっていました。もう一枚は高島屋12Fのレストラン街入り口にも小さめなクリスマスツリーの展示がありました。まだ見られてない方いましたら、一度ご覧頂ければと思います!!
紅葉は終わりかけですが、名古屋のオフィス街の銀杏並木の紅葉です。普段名古屋駅から丸の内駅間を通りますが、この時期は道行く人々の目を楽しませてくれます。
さて、今回のテーマは「線維筋痛症」という疾患について取り上げたいと思います。
なぜ取り上げたかと言いますと、最近当院でも問い合わせが多く、来院される患者様も増えて来た事が大きな理由です。
また線維筋痛症と医療機関で診断され、なかなか治療法が無く改善せず、家に閉じ篭ってしまう方が多く、長期化してしまい精神的、身体的にも支障をきたしてしまう病気ですが、認知度が低いのでこれを期に知らない方にも見て頂けたらという想いからです。
症状は極めて多彩で、自律神経失調症の様に茫洋として掴みにくいのが特徴です。
1、骨格筋の症状では広範囲の筋肉に疼痛と倦怠感(だるさ)がみられる。
2、うつ状態などの精神神経症状があらわれる。
3、胃腸症状として食欲不振、吐き気が出る場合もある。
4、全身症状には、全身倦怠感、微熱、寒さなどが出現する。
【要因】
精神的ストレスが誘因となる場合が多く、精神的緊張が筋肉の緊張と栄養障害を引き起こすと考えられます。
東洋医学では、「精神的ストレスは気の鬱滞とし、経絡の停滞を起こし気血の流れが阻害されて、痛みが現れる」つまり経絡の中を流れる気や血という物質の流れが悪くなり詰まってしまうことで痛みが出るということです。
この状態を「不通則痛」(ふつうそくつう)と言います。
また線維筋痛症では、関節痛や筋肉痛に対して現代医学によるあらゆる検査(MRI、レントゲン検査、血液検査)で異常が見つからない事も多く、難病であると考えられています。
つまり現代医学では「治すことができない」病気と認識され、医療機関も何ヵ所か変えて受診される患者様も多いようです。そして多くの患者様が、抗うつ剤を内服している状態です。
「線維筋痛症」の診断基準
1990年に定められたアメリカの線維筋痛症の診断基準(米国リウマチ学会分類基準1990)を元として、2011年に新しく改定された日本線維筋痛症会編集による『線維筋痛症診療ガイドライン2011』(2011年7月)があります。日本における線維筋痛症治療の方向性をまとめたガイドラインですが、米国リウマチ学会が20年ぶりに改訂した基準を模倣し作成されました。
①「広範囲の疼痛」の既往がある。3ヶ月持続する必要がある。
②手指による触診で18ヶ所の疼痛点部の内、11ヶ所以上に圧痛を認める。(下図)
上記①、②の両方の基準を満たす時、線維筋痛症と診断します。
・3ヶ月以上持続する全身性の疼痛
・①~⑨の18の圧痛点(いずれも左右対称性)のうち11以上の圧痛
①下部頸椎(low cervical)
②僧帽筋部位(trapezius)
③棘上筋部位(supraspinatus)
④第2肋骨部位(second rib)
⑤上腕骨内顆(lateral epicondyle)
⑥殿筋部位(gluteal)
⑦大転子部位(greater trochanter)
⑧膝関節部位(knee)
⑨後頭部位(occiput)
(薬物治療)
ブリガパリン、ガパペンチン等の抗てんかん剤を併用
精神的要因が発病のきっかけと増悪原因になり、うつ状態などの精神神経症状を伴う場合が多く決定的診断根拠にならない様です。
【痛みのプロセス】
精神的緊張や不満などが精神的ストレスとなって、交感神経緊張状態になることで組織内に血流障害をきたします。これが刺激となってセロトニン、ヒスタミン、ブラジキニン、プロスタグランジン(pge2)Kイオンなどの発痛物質が分泌されます。
また「組織の虚血」(末梢組織へ血液供給が不足すること)により障害細胞から細胞外に漏出したKイオン(カリウムイオン)が平滑筋に作用し、疼痛を生じます。このような過程を経て「線維筋痛症」では、筋肉痛が発生すると考えられています。
また東洋医学の痛みに関する病理原則は「不通則痛」(気血が通じざれば、則ち痛む)、「通則不痛」(気血が通じれば、則ち痛まず)と言い、痛みが生じるのは“気血の通じが障害されたとき”に発生すると認識されます。
鍼灸治療が線維筋痛症に有効と考えられるのも、気血を通じさせる効果があるので、痛みを止める働きがあるからです。まとめますと、気滞、血滞(血流障害)を通じさせれば、痛みと精神的気滞が解消されると考えられます。
痛みは、全身を循環する経絡の気血のめぐりを良くすると鎮痛すると考えられています。
また精神的気鬱は、気の鬱滞(気の循環が悪いこと)を通じさせれば良くなります。いずれの症状も鍼灸治療で、気血の循環をよくすると症状は軽減されると考えられています。
参考文献:(線維筋痛症の診断と鍼灸治療 ヒューマンワールド出版 西田皓一 著)
銭田治療院では、線維筋痛症にも対応致します。まずは、ご相談の程お電話よろしくお願いします。
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