こんにちは!
千種さわやかクリニック通所リハビリテーションの理学療法士・鍼灸師・柔道整復師の新田です。
今日は、卓球とは離れて大腿骨頸部骨折のまとめを紹介しようと思います。少し勉強した内容を紹介します。
【大腿骨頸部骨折】
・頚体角:成人約130°
・前捻角:約14°
※頚体角と前捻角は荷重の際力学的弱点となります。この点を頸部の独特の骨構造が補っています。
※頸部内側には厚い緻密質があり、大腿骨距、アダムス弓と呼ばれ、力学的強度を保っています。
◇分類
1)骨折部位による分類
⓵内側骨折(骨頭下骨折、中間部骨折)→大腿骨頸部骨折(包内骨折)
⓶外側骨折(転子間骨折、転子貫通骨折)→大腿骨転子部骨折(包外骨折)
2)骨折型による分類
内転型骨折:骨折部は内反股の状態を示す⇒剪断力がかかりやすく骨癒合不良
外転型骨折:骨折部は外反股の状態を示す⇒剪断力がかかりにくい骨癒合良好
⓵大腿骨頸部内側骨折=大腿骨頸部骨折
◇発生機序
・大転子部を打撲することで受傷⇒頸部に長軸圧や剪断力、屈曲力などが加わるため
※大腿骨頸部骨折は、75歳未満では転子部骨折よりも多いですが、75歳以上では少なくなります。全年齢で比較すると、転子部骨折よりやや少ない人数となっております。
大腿骨頸部骨折は、65歳以上では女性のほうが男性より2倍も多く、高齢になるほど女性に多い病気となっております。
◇症状
1)機能障害
・起立できず、背臥位で膝関節伸展位のままで挙上することができない場合。➡腸腰筋出力低下が考えられます。
・外転型骨折に多い噛合骨折では歩行可能なこともあります。
2)下肢の短縮
・棘果長は健側に比べて短縮します⇒内転転移の著しいものほどその短縮は大きくなります。
(下肢短縮の原因が大転子より近位にあることは大転子が高位になっていることで明らかになります。)
3)骨折後の肢位
・下肢は一般に外旋位にあります。
4)腫脹
・内側骨折(頸部骨折)と外側骨折(転子部骨折)とでは腫脹の現れ方に差があります。
※外側骨折の方が著名かつ早期に現れ大転子付近にまで及びます。
5)疼痛
・スカルパ三角部に圧痛を認めます。
[評価方法]
⓵大転子部を叩打⇒叩打痛
⓶踵骨部から大腿長軸圧を加える⇒軸圧痛
⓷骨頭(スカルパ三角)を圧する⇒圧痛
◇治癒の困難な理由
⓵大腿骨頸部が骨膜性仮骨の形成に欠ける
⓶大腿骨頭を養う内外側大腿回旋動脈が骨折によって絶たれる
⓷骨癒合に不利な力学的影響→頸部骨折は骨折線が荷重軸に平行に近くなるため剪断力がかかる。
⓸高齢者に多発
大腿骨頸部骨折は4大骨折といわれるくらいに有名な、高齢者に多い骨折です。皆様も十分お気を付けください。私も転子部骨折含め、いろいろな疾患をみてきました。今後もいろいろな患者様と出会うと思います。デイケアでは、いろいろな疾患をもった利用者様が来られます。お気軽にご相談ください。今後ともよろしくお願いいたします。
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