こんにちは、株式会社ゼニタの服部でございます。今日は、私たち日本人の生活習慣に根付いている「お彼岸」についてお話をさせて頂きます。皆さん、お彼岸では何をするのかをご存じですか。お墓参りをする日ですよね?そんなイメージで日々を送っている方が多いのではないでしょうか。では、なぜお墓参りするの?正確には何月何日?と聞かれたら、意外と答えに詰まってしまうものです。
春分の日・秋分の日を中日(ちゅうにち)として、前後3日間、それぞれ合計7日間がお彼岸です。
言うまでもなく春分・秋分の日は国民の祝日です。昼と夜の長さがほぼ同じ日です。太陽が真東から上り、真西に沈みます。
2021年のお彼岸は、春のお彼岸が彼岸入り3月17日(水)中日(春分の日)3月20日(土)彼岸明け3月23日(月)でした。秋のお彼岸は彼岸入り9月20日(月)中日(秋分の日)9月23日(木)彼岸明け9月26日(日)となります。
ちなみにお彼岸の最古の記録と思われるものは、日本後紀に記されている「延暦25(806)年、早良親王(※謀反の疑いで死去)のために、春分・秋分を中心とした7日間、お経を転読させた」という記述です。つまり1200年前の平安時代にはすでに、春分・秋分の日が宗教的意識と結びついていたことがうかがえます。この法要は恒例となり、朝廷の年中行事になりました。ところが春分・秋分の日にお墓参りをする習慣があるのは日本だけで、他の仏教国にはこういう習慣はないのです。お彼岸が日本固有のものとは初耳で驚きました。古来から日本には、太陽信仰や先祖崇拝という素朴な信仰がありました。太陽が真東から上り真西に沈む日を、経験的に特別な日だと感じていたからでしょうか。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、季節が急に移り変わる時期。米作りで生きてきた日本人には、苗代作りや稲刈りの目安にもなる大事な節目だったわけです。
それらの日本独自の風習に、太陽が真西に沈むことから「はるか西方にある浄土に通じる」という仏教的な教えが加わり、ご先祖様を供養し、お墓参りをするという習慣がはぐくまれていきました。暑さ寒さも和らぎ、日中も過ごしやすくなる季節です。お墓参りをし、自分のこれからを思うことができれば、それはきっと有意義なものになるのではないでしょうか。お盆と違って長いお休みが取れない人が大半ですが無理のない範囲で、自宅でそっと手を合わせるだけでも、ご先祖様はきっと喜んでいただけます。
お彼岸に必要なものといえばお供え物ですが何を思い浮かべますか。お供えといえば、おはぎです。ぼたもちとも言います。基本的には同じもので、一説には、萩(はぎ)の花は秋に咲くから秋の彼岸は「お萩」、牡丹(ぼたん)は春に咲くから「牡丹餅(ぼたもち)」と呼び分けるとも言われています。また、小豆の収穫時期の違いもあります。秋は収穫したばかりの小豆が使えて、皮まで柔らかく食べられることから、皮も一緒に炊いた「つぶあん」。春は、一冬越した小豆の皮が硬いため、皮を除いた「こしあん」を味わうのがツウだそうですよ。
古来からお餅は、特別な力を持つ食事としてハレの日に用意されてきました。同じく小豆も、赤い色には邪を払う不思議な力があると考えられ、縁起の良い食べ物として好まれてきました。おはぎはお正月のお餅と違って、臼や杵(きね)でペッタンペッタンつかなくても簡単に作れたのです。もち米とうるち米を蒸して丸めれば、中のお餅のできあがりです。小豆は煮るだけで崩れて粉になり、砂糖を混ぜてこねればあんこにすることができたので、各家庭でも簡単に作れ、折に触れてお供え物に利用されてきたのです。
私たちの生活に根付いた「お彼岸」。宗教上の法要にとどまらず、日本の気候風土がはぐくんできた習俗であることが分かりました。
実は、名古屋市の桜山を散歩していたら美味しそうなおはぎを見つけました。ふと、お彼岸に繋がりました。実家のおはぎが無性に食べたくなりブログにしてみました。
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