こんにちは。千種さわやかクリニック通所リハビリテーションの理学療法士の新田と申します。

今日は、膝蓋骨骨折についてまとめました。

 

<膝蓋骨骨折>

・膝蓋骨は膝の前面にあって、膝関節部の保護と膝伸展機構の要をなす。皮膚直下に位置するため損傷を受けやすく。骨折の多くは横骨折で腱膜の断裂と骨片の離開を認め観血療法適応となる。

・膝蓋骨辺縁にみられる小骨片や関節面から裂離した骨軟骨骨折は、膝蓋骨脱臼・膝蓋靭帯損傷などに伴い見逃されやすいので注意を要する。分裂膝蓋骨との鑑別に留意する。

 

◇分類

⓵横骨折

⓶縦骨折

⓷粉砕骨折

⓸裂離骨折

⓹前額面骨折

⓺骨軟骨骨折

 

<骨軟骨骨折>

・脱臼から整復する際に損傷

 

[膝蓋骨骨折=星状骨折]

・全骨折の約1%

・成人に多く、男性が約65%

・横骨折が多く50~80%、その80%が中央部または遠位1/3部Fx

 

◇発生機序

・直達外力によるもの、大腿四頭筋の牽引によって起こる介達外力によるものに分けられる。

※直達外力の骨折型さまざま(横骨折、縦骨折、粉砕骨折)

・介達外力:横骨折多い

◇転位

腱膜損傷を伴わないものは一般に転位が軽度

・膝蓋腱膜および両側の膝蓋支帯が断裂すると、近位骨片は大腿四頭筋によって強く上方に引かれ骨折部は広く離開する

◇症状

・膝関節部の腫脹、疼痛著名

・骨折部に一致して限局性圧痛を認め

・膝蓋腱膜断裂を合併している場合は骨折部の著名な離開と体表から陥凹を触知

・直達外力の場合は、膝前面の皮膚に損傷をみることが多い

横骨折の腱膜離断完全骨折は膝関節伸展が著しく傷害されるが、腱膜下骨折では膝伸展が可能な場合もある。

◇治療法

・転位の軽度なものは、膝関節軽度屈曲位で4~5週間の副子固定に加え絆創膏あるいはリング固定を併用

・転位の大きいものは観血療法が望ましい

◇合併症

・長期固定による膝関節拘縮

 

[sleeve fracture:小児多い]

 

<分裂膝蓋骨>➡有痛性と無痛性がある

・分裂膝蓋骨は先天的に膝蓋骨が二つ以上に分裂しているもので、その大半は二分膝蓋骨である。

・多くは膝蓋骨の上外側部に小さな骨片として存在

・分裂膝蓋骨があっても無症状に経過することが多いが、スポーツ活動や打撲などを契機として有痛性となることがある

男子に多い

◇分類

・大腿四頭筋の外側広筋付着部である膝蓋骨の外上方に分裂骨片を認める例(Ⅲ型)がもっとも多く次いで外側端に多くみられ(Ⅱ型)、遠位端部にみるものもある(Ⅰ型)。いずれも膝蓋骨の分裂部に一致して圧痛と叩打痛を認める。

 

◇症状

・疼痛発現は12~16歳頃であることが多い、運動中、あるいは膝関節痛を訴える。

膝蓋骨の上外側が膨隆し、同時に圧痛を認める。安静時痛なし

 

◇治療法

・スポーツ活動を一時中止

 

今日はここまで、朝晩と冷え込んできましたので体調に気を付けてお過ごしください。それでは!