こんにちは!千種さわやかクリニック通所リハビリテーションの理学療法士・鍼灸師・柔道整復師の新田です。今日も卓球から離れて、勉強にしました。前回の続きで大腿骨頸部骨折についてです。

 

◇治療法

1)外転型骨折

 頸部骨折のうち外転型骨折は比較的少ない。外反股を形成し、しかも骨折面も噛合している場合がほとんどである。噛合している骨折はパウエルの分類の第1度に属するので骨癒合を望むことができる。

 とくに整復の必要はなく充分な固定が施されればよい。

2)内転型骨折

 大腿骨頸部内側骨折の大半は内転型骨折(90%以上)である。本骨折では合併症を避けるため、一般に観血療法(人工骨頭置換術、人工関節置換術(臼蓋も変える)、釘固定術など)の適応となる。そのため、年齢(高齢者)、発生機序(転倒して側方から大転子部を打った場合など)、特有の肢位(下肢内転・外旋・短縮)叩打痛その他骨折特有な症状から本骨折が疑われる場合には、応急処置として患部の安静を目的として固定を行い専門医に委ねる必要がある。

 術後は後療法として日常生活動作の回復のため自動運動及び理学療法を行う。

[持続牽引療法・副子固定法]

 全身状態が良好で、不全骨折や噛合している外転型骨折の場合に用いられる。

◇固定包帯後の留意点

 年齢的にみて長期の固定と臥床によって起こる続発症にはとくに注意が必要である。

長期固定による膝関節の可動域制限は必発するので、固定期間中、膝蓋骨の運動や大腿四頭筋の等尺性収縮運動などが必要である。

◇固定期間

 保存療法での固定は12週間以上必要とする。いずれの骨折でも程度により期間の決定はもっとも重要であるが、頸部骨折は、その部位、骨折の程度により、その固定期間の差が大きく、固定除去、荷重許可、治癒の判定や予後の判定には考慮すべき事項が多い。

 

  • パウエルの分類

1度:30°以下で骨折部に働く力は骨癒合に有効に働くもの→骨癒合期待できるのは1度まで!!

2度:30°を越え70°未満で骨折面には剪断力が働くから骨癒合は困難である。

3度:70°以上で治癒条件は第2度骨折よりさらに不良である。

 

◇合併症

⓵阻血性大腿骨骨頭壊死
⓶遷延治癒
⓷偽関節
⓸認知症
⓹沈下性肺炎(以下、長期臥床による続発症)
⓺褥瘡
⓻尿路感染
⓼DVT(深部静脈血栓症=エコノミークラス症候群)

 

今日はここまで、また来週です。これからもよろしくお願いいたします“!