こんにちは!名古屋市中区新栄にある、銭田治療院千種駅前の鍼灸師の佐藤です。
昨日は、台風で夜は風と雨がすごかったですね。近隣では大きな被害も無く良かったですが、
公共交通機関を利用されている方は、朝大変でしたでしょうねっ。
さて、最近よく治療院に来院される患者様で、突然の手の痺れや手が上手く動かせないといった症状で来院される方が増えています。
そのなかで、今日は「手根管症候群」に着目した内容でお話します。
手根管症候群は特発性の原因不明とされています。手の反復した使用によっても起こる症状です
そもそも手根管とは?
・正中神経 ( せいちゅうしんけい)
・浅指屈筋腱 ( せんしくっきんけん)
・深指屈筋腱 (しんしくっきんけん)
・長拇指屈筋腱 ( ちょうぼしくっきんけん)
1本の神経と9本の屈筋腱・腱鞘が通る管です。
東洋医学的な痺れ(しびれ)
まず、痺れ(しびれ)の場合ですが、鍼灸・マッサージ・運動療法・電気治療を行う前に、外科的原因(血管が詰まる・神経が他の組織により圧迫を受けている)などが原因で外科的治療が必要な場合もありますので、当院としては必ず病院の受診をお薦めして画像検査等を行い、所見上問題がないことを確認してから、当院の治療をお勧めしております。
検査結果に異常がなく、原因不明のしびれは、東洋医学的な観点では大きく分けて2つの原因があります。
(1)流れが滞っている事
気や血の流れが滞っているので、隅々まで栄養がいきわたらず痺れ(しびれ)を起こします。その場合、過度な疲労感、ストレスや緊張が続くと流れが滞ります。さらには油っこい食べ物なども、気や血の流れを滞らせる原因となります。
(2)筋肉を健康的に保つだけの「血」が不足している事。
この「血」の不足が原因でよく見られるのが、産後に起こる痺れ(しびれ)です。この場合は、出産時や授乳する時に「血」を奪われますので、血の全体量の不足からくる痺れになります。
また、痺れ(しびれ)のほかに、
- 生理が遅れがち
- 経血が少ない
- 目が見えずらい
- 爪が割れやすい
- 髪が細くて抜けやすい
- 不眠、夢を沢山見る
- 不安感
- 忘れっぽい、集中力が低下気味
などの「血不足」の症状が見られた場合、これに該当します。
痺れ(しびれ)を訴える人のほとんどが、疲労を感じていて、血が不足気味。
筋肉を健康に保つだけの栄養が不足しているのと、それを隅々まで届けるだけの力が不足している方が殆どなのです。
しびれるのは気血の流れが悪くなる、気血が不足していると起こります。
気血の流れが悪くなる原因は、「気血そのものが不足している」
「疲れているとめぐらせるだけのパワーが無い」
「体に悪さを起こす、邪鬼、主に寒邪という寒い時や冷えた時に体に入り込むものがそこにあるためめぐりが悪くなる」
ということです。
また、痺れがあるのは気血が不足しているのと、神経痛などの症状がミックスされている場合があります。
西洋医学的な痺れ(しびれ):正中神経の場合
正中神経は、手関節の近くで分岐して手根管内は本幹だけが通ります
分岐した掌枝は屈筋支帯の掌側を通ります。この正中神経が絞扼されることで手根管症候群になってしまいます。
正中神経を絞扼する要因は、屈筋支帯といわれる横手根靭帯(おうしゅこんじんたい)の肥厚により内圧を高めてしまい腫脹、屈筋腱の緊張による。
もし腫脹があれば手根管の遠位部のほうが狭いので絞扼されやすくなり
ます。
また、解剖学的には変異(Variation)が存在することもあるので、そのことを理解して臨床所見とエコー所見を照らし合わせながら、保存療法により痺れ(しびれ)の改善を図ります。
a.一般的には正中神経には、屈筋支帯(横手根靭帯)のすぐ遠位から母指球枝を出す(46%)。
b.母指球枝が靭帯の下で分岐する(31%)。
c.母指球枝が屈筋支帯(横手根靭帯)を貫くため、屈筋支帯の切開手術の時、障害を受けやすい(約23%)。
であることがわかっています(プロメテウス解剖学アトラス)より引用)。
aが正常で、b.cが変異です。
当院では、このことを踏まえて以下の順序で評価(整形外科テスト・エコー評価)を行います。
具体的には、Tinel(チネル)様徴候、 Phalen(ファーレン)テスト、手根管圧迫テストなどの徒手検査をおこないエコーを用いて、原因となる場所を探ります。
エコーを用いることで、治療部位がはっきりし的確に治療をおこなうことができます。
また、神経周囲のFascia(ファシア)治療をおこなうことで症状が改善されるかもしれません。その場合は、電気治療と徒手療法を併用して治療を行う場合があります。
手の痺れ(しびれ)や痛みでお困りの方はぜひ一度当院へ起こしになり、治療をうけてみてはいかがでしょうか?
お待ちしております。
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