皆さんこんにちは。名古屋市中区新栄にある、株式会社ゼニタから千種さわやかクリニック通所リハビリテーションに出向しているアスレティックトレーナーの嶋田です。

今回はタイトル通りウォーキングで筋力を維持する話です。前回は筋肉を維持するためには速筋の維持が大切で、そのためには筋トレでスロトレを行うことが重要でウォーキングでは筋肉を維持するのは不十分な可能性があります!とお話ししました。しかし今回はこの不十分かもしれないウォーキングで筋肉を維持する方法をご紹介します。

前回の記事をまだ読んでいない方は下記のリンクからどうぞ!
筋肉を維持するために必要なことは?

ウォーキングでは不十分な理由

まずは速筋繊維の場合、日常生活だけでは維持するのは不可能で、長期的な活動低下により徐々に萎縮していきます。逆に遅筋繊維は日常生活で筋肉を維持することが可能です。そのためウォーキングなどの日常生活に近い動作を行っていれば基本的には遅筋の維持はできますが、定期的に強度の強い運動をしないような生活が続くと徐々に速筋が萎縮していきます。これらが原因でいわゆる「サルコペニアやロコモ」といった状態になっていきます。

1日1万歩!では効果がない?

ある報告では、4カ月間食事指導と1日1万歩の運動指導で体重と筋肉量を調べた結果、平均で体重3㎏減少し筋肉量は平均で2㎏減少するといった結果になっています。また5カ月間毎日1日1万歩ウォーキングした人と日常生活している人では筋力は全く変わらない、肺活量も変化がないと結果も出ています。これらは歩く速度が遅すぎると運動強度が低いため筋力に差が出ないと考えられます。これではせっかく運動しているのに筋肉量の低下を食い止められません。実際に速筋繊維を使うには前述した筋トレの他にテニスやサッカーなどの動きの速い動きを定期的に行うことが重要です。しかしせっかく歩くなら効果があった方がいい!と思う方は是非試してほしいのが、「インターバル足歩」が有効です。

これは下記のHPで詳細な結果が報告されています。
NPO法人熟年体育大学リサーチセンターHP

 

歩くことで筋肉を維持できるインターバル足歩

では実際にインターバル足歩ではどの程度効果が出るのか?図がインターバル足歩を行った際の結果です。

NPO法人熟年体育大学リサーチセンターHPより一部改変して引用

こちらの結果を見ると前述した通り1日1万歩と日常生活を送っている人では特に筋力が変わらないのがわかります。そしてインターバル足歩を行った人ははるかに効果が出ています。この結果からウォーキングでも筋力を向上させ筋肉を維持できることも期待できます。しかしウォーキングを痛みで行えない人もこのインターバル足歩を水中で行った場合でも下肢筋力が大幅な向上を認めたと報告があります。水中でできれば、膝や股関節に不安がある方でもこれなら安心してウォーキングを行うことができます。

インターバル足歩の方法

NPO法人熟年体育大学リサーチセンターHPより引用

上記のようにゆっくり歩く(普段どおり)3分、さっさか歩き(速歩)3分を交互に行います。これを合計1日15分以上行うのが目安です。3分早く歩くのが大変という方は2分さっさか歩き、1分ゆっくり歩くサイクルで行っても大丈夫です。

週に4回1日15分以上行うと効果的と言われています。これを目安にご自身のペースで行われるのがよいかと思います。

まとめ

普段のウォーキングをインターバル足歩に変えるだけで筋肉が維持できます。筋トレを行うには少し抵抗がある、歩くことなら毎日やっているという方は是非一日15分インターバル足歩を試してみてはいかがでしょうか?