皆さん、こんにちは!名古屋市中区新栄にある、株式会社ゼニタから千種さわやかクリニック通所リハビリテーションに出向している、アスレティックトレーナーの嶋田です。

前回はなぜ筋肉は衰えるのかを解説しました。
前回記事は下記のからどうぞ!
筋肉はなぜ衰えるのか?

今回は筋肉を維持するためのお話です。
よく筋肉は歳と共に落ちていくと言われていますが、今まで通り日常生活を送っているのになぜ?と思われるかと思います。筋肉を維持するために運動しているのに成果があまり現れないと感じたりする人もいるかと思います。
その簡単に落ちてしまう筋肉を維持・増やすために必要なことをお話していきます。

 

遅筋と速筋

筋肉量で大きく関与するのが遅筋と速筋です。
筋肉は大きく分けて速筋と遅筋に分かれます。簡単に言えば、速筋が陸上競技の短距離選手、遅筋が長距離選手です。
遅筋は日常生活で維持でき、寝たきりなどの長期間安静や活動が低下すると筋肉量は低下していきます。速筋は日常生活では維持ができません。
そして、この速筋繊維は遅筋に比べると、①少し太く②力も大きい③トレーニングによって大きくなりやすいです。
そのため、速筋を維持することが、筋肉量低下を防ぐのに非常に大切です。

 

速筋を維持するためには筋トレが重要!

えっ?ウォーキングとかではだめなの?と疑問に思う方も多いかと思います。

ウォーキングだと、歩いている速度によってはほとんどが遅筋繊維しか使われません。日常生活で歩いている程度の速度では、速筋は使われません。ウォーキングでも速度によっては筋力の向上が期待できますが、これはまた次回お話したいと思います。


そのため、速筋繊維を使いたい場合は筋トレが必要になり、これも強度が重要です。筋トレをするにも強度が低いと速筋は使われません。結局は日常生活以上の負荷を与えなければいけません。


例としては、100㎏を1回持ち上げられる人が20㎏(20%)でトレーニングしても遅筋繊維しか使われません。筋肉を大きくしたい場合は、70%程度の負荷をかける必要があります。


しかし、高齢であると高負荷のトレーニングには危険が伴います。そこで用いられているのが、「スロートレーニング」です。

スロートレーニングとは?

名前の通り「ゆっくり」と行うトレーニングです。例えばスクワット(図)の場合はゆっくり3~4秒程度でしゃがんで、ゆっくりと3~4秒程度で上がっていきます。その間は、常に筋肉が使われていることが重要です。そのため、スクワットでも図のようにするのが大切です。


この3秒でもスムーズに動かし、常に筋肉が働いている、これがスロートレーニングです。どのトレーニングにも応用できスクワットだけでなく普段、家でイスに座りながらの膝伸ばしをやっている!という方はそれをゆっくりと行いましょう。

低負荷でも効果が出る

1回で挙げられる負荷の30%でも、スロートレーニングなら通常のトレーニングよりも筋断面積が5%増えた、という報告もあります。これは、13回3セット週2回を、3ヶ月行った結果です。1年間で、1%筋肉が細くなることを考えれば、3ヶ月で5%増えるので十分に老化による筋肉量低下を防ぐことはできます。

まとめ

筋肉量を維持するのに大切なのは、まずは速筋を使うこと、そのためには筋トレが重要であり、ウォーキングなどでは十分とは言えません。
筋トレは、「スロートレーニング」が大切で3秒で下げて3秒で挙げる、これが重要です。
少しでも、筋肉を維持するために、スロートレーニング試してみませんか?