こんにちは、株式会社ゼニタの服部でございます。

いよいよ、ボジョレーヌーボーの季節となりました。ワインと健康効果についてお話をさせて頂きます。

「ワインが美容や健康に良い」というのは以前からテレビや雑誌でも取り上げられていますが、具体的にはどのような効果があるのか調べてみました。

お酒を飲んで健康効果を得られたらとても嬉しいことですが、ただ飲むだけで良いというわけではありません。

今回は赤ワインについて、その栄養や効能、適量や効果的な飲み方についてなど紹介させて頂きます。

赤ワインに含まれている成分として特に有名なのは「ポリフェノール」ではないでしょうか。

赤ワイン100ml中に含まれるポリフェノール量は250mgといわれており、他のどんなアルコールよりも大量のポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールとは植物由来の抗酸化物質です。色素、アク、渋み、苦みの成分となる化合物の総称で、4000~5000種類もあるといわれています。

それだけ多くの種類があるポリフェノールですが、すべてに共通するのは「抗酸化作用」です。

抗酸化作用とは活性酸素による体のサビつきや老化を防ぐ効果のことです。このことから、赤ワインは健康や美容に効果的と言われていることが納得できますね。

ポリフェノールの種類として、赤ワインに多く含まれているポリフェノールは、アントシアニン、リスベラトロール、タンニン、フラボノイド、カテキン、プロアントシアニジンなどです。タンニンやカテキンは渋み成分として私たちに馴染み深い緑茶にも含まれていますが、ポリフェノール量を比較すると赤ワインは緑茶の約1.5倍のポリフェノールが含まれていると考えられています。

その他の成分として、ポリフェノール以外にはカリウム、ビタミンC、ビタミンE、ビオチン、βカロチン、クロム、モリブデンなどが豊富に含まれています。

 

<赤ワインの効果効能>

①血糖値上昇抑制効果

赤ワインに含まれているポリフェノールの一種であるアントシアニンや、ミネラルの一種であるクロムには、血糖値が上昇するのを抑制する働きがあります。

私たちの体は食べ物を摂取すると、すい臓からインスリンというホルモン物質が分泌され、各細胞にエネルギー源として糖を送り込みます。食後急激に血糖値が上昇すると膵臓は過剰にインスリンを分泌させて細胞に糖を送り続けますが、余った糖はすべて脂肪として蓄え、これが肥満の原因となるのです。

このことから、赤ワインを食前や食事中に飲むことで食後の血糖値上昇を防ぎ、ダイエット効果も期待できると考えられますね。

②高血圧症予防効果

赤ワインに含まれるポリフェノールには強い抗酸化作用がありますが、この抗酸化作用によって守られるのは「細胞」で、その中には血管も含まれます。

体内の酸化が進むと血管が弱っていき正常な血流を保つことができなくなり、その状態が続くと血管の圧力が高まり高血圧症になる可能性が高まりますが、ポリフェノールにはこうした細胞を正常に保つ働きがあります。

また、体内を流れる血がドロドロの質の悪い状態になる高脂血症や、高脂血症が悪化して血管が硬くなる動脈硬化も、ポリフェノールの抗酸化作用で予防できると考えられています。

③脂肪燃焼効果

赤ワインに含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトロールには、皮下脂肪や内臓脂肪に多く分布している白色脂肪細胞を、脂肪を燃焼させる働きのある褐色脂肪細胞に換える働きがあることがわかっています。このことから赤ワインはダイエットにも効果的と考えられています。

④抗がん作用

今では国民病とまで言われるようになったがんですが、その原因は「体内の活性酸素の除去がうまくいかず、傷ついた細胞が悪性腫瘍になった」というケースもあると考えられています。

赤ワインに含まれるポリフェノールには強い抗酸化作用がありますが、その中でも特にレスベラトロールには、自動的には排出しにくかった残存活性酸素を排出し、がんの発現を抑制する効果があるという報告もあるようです。

⑤眼精疲労予防効果

ブルーベリーが疲れ目や視力回復などに効果的というのはご存知の方も多いと思います。これはブルーベリーに含まれているポリフェノールの一種、アントシアニンが、ロドプシンという色素細胞を再合成するためですが、このアントシアニンは赤ワインにも豊富に含まれています。

さらに、アントシアニンには「毛細血管を守る」「血行を促進する」「活性酸素を排出しやすくする」という効果もあるので、ロドプシンの再合成だけでなく、目の疲労感を回復しやすく、眼精疲労の予防や改善にも効果的と考えられています。

⑥美肌効果

赤ワインに高い抗酸化作用があることは今までにもお話してきましたが、抗酸化作用はお肌のエイジングケアにも大きくかかわっています。

シミやしわなどのエイジングサインは、細胞の酸化が主な原因といわれています。高級な化粧品で外側からケアしても、内側からの酸化が進めば効果も半減してしまいますが、赤ワインを飲むことは内側からのエイジングケアに効果的ですね。

また、ほかに赤ワインに含まれるビオチンにも美肌効果が期待できます。ビオチンは体内の代謝を促進したり、皮膚トラブルの原因となるヒスタミンの生成を抑える効能があり、アトピー性皮膚炎の改善にも効果を発揮します。

⑦貧血予防効果

赤ワインに含まれる、ミネラルの一種モリブデンは、鉄分が不足した時に造血を促す作用があり、貧血に効果的と考えられています。モリブデンは豆類に多く含まれる栄養素ですが、赤ワインで手軽に摂取できるのは嬉しいですね。

⑧消化促進効果

赤ワインに含まれるポリフェノールやビタミンには胃腸の働きを活発にし、消化を促進する効果があります。食前や食中にワインが提供されるのは、このような消化のサポートのためとも考えられます。

血行が促進され胃腸の働きを活発にさせるほか、アルコールによるリラックス効果が食欲増進にもつながりますが、胃腸の働きが活発になれば、胃酸やホルモンなど消化に必要な内分泌も活性化し全身の健康を保つことにもつながると考えられます。

⑨冷え性改善効果

赤ワインには、豊富なポリフェノールやビタミンの作用によって血行を促進し体をあたため、冷え性の改善にも効果があると考えられています。ただ、赤ワインはお酒なので飲み過ぎは逆に体を冷やしてしまいます。上手に健康効果を得られるように適量を意識して摂取しましょう。

⑩自律神経調整効果

自律神経は、心身を緊張、興奮させる交感神経と、リラックスさせる副交感神経からなっており、その2つの神経がバランスを取りながら、私たちの意思とは無関係に呼吸や消化吸収や睡眠、体温調節などの生命維持の機能をコントロールしています。

しかし、体の不調や精神的な落ち込みなどのストレスがかかると、このバランスがとれなくなり、様々な全身症状を引き起こしてしまいます。

そこで、赤ワインを飲むことで、体があたたまりリラックス作用(副交感神経)が働きやすくなったり、豊富なビタミン類の補給により栄養吸収力(交感神経)が働きやすくなるなど、自律神経のスイッチの切り替えがスムーズになることが考えられています。

また、ポリフェノールの抗酸化作用により活性酸素が除去されてリラックス感が高まるという効果も期待できます。

 

<赤ワインの1日あたりの適量>

厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」に紹介されている「節度ある適度な飲酒」としている量は、1日平均20g程度のアルコールです。あくまでも基準なので、お酒に弱い方や高齢者などはそれよりも少なめを適量とするのが良いでしょう。この1日平均約20g程度のアルコールとは、アルコール度14度のワインの場合だと180mlを飲んだ時点で約20gのアルコールを摂取することになります。このことから、赤ワインの適量は1日180ml(グラス1杯程度)と考えられます。

<休肝日>

肝臓の負担を減らすために、休肝日を作るようにしましょう。お酒を飲むと、肝臓には中性脂肪が蓄積され、胃腸など消化管の粘膜も荒れてきます。そういった臓器の修復のためには週に2日程度、ワインを飲まない日を作りましょう。公益社団法人アルコール健康医学協会では、「2日飲んで1日休むという習慣を作ることが大切」としています。

 

ワインの効果効能がこんなに多くあるとは思いませんでした。だからと言って飲み過ぎには十分に注意してください。いつまでも、若々しくスマートにいたいですね。