こんにちは!
名古屋市中区新栄にある、株式会社ゼニタリハビリテーション部でかきぬま整形外科に出向している理学療法士の宮地 祐太朗です!

前回の私のブログで水溶性ビタミン脂溶性ビタミンについてお話をしました。今回は、「ビタミンB群」についてお話します。

ビタミンB群とは、その名の通り“群”という言葉が付きますので、いくつかの栄養素をまとめて“ビタミンB群”と呼びます。ビタミンB群は私たちが生きるためのエネルギーをつくるのに欠かせない栄養素の1つです。そのため、代謝ビタミンとも呼ばれています。

ビタミンB群は、どれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働きます。普通の日本人の食生活ではビタミンB群が不足することはないと考えられていますが、データをとると実際には多くの方がビタミンB群不足になりがちです。

 ビタミンB群は、エネルギーを作るために多くの働きをします。これをエネルギー代謝といい、TCA回路というエネルギーをつくり出す過程にある回路に入ることでスムーズにエネルギー産生が行われます。このときに酵素の材料であるタンパク質、エネルギー源、酸素、そして補酵素であるビタミンB群、ビタミンCが十分量揃ってはじめてうまくエネルギーをつくり出すことができます。以下がその回路の模式図(表1、図1)です。

表1 ビタミンB群の種類

種類ビタミンB1ビタミンB2ビタミンB6ビタミンB12
記号B1B2B6B12

 

種類ナイアシン葉酸パントテン酸ビオチン
記号NFPBio


図1 TCA回路とアミノ酸の代謝(簡略図)

▢で囲っているものがエネルギーを作るための酵素で、で囲っているものが補酵素(ビタミンB群)です。この複雑な仕組みによって、私達は体を動かしたり、生命を維持できたりすることができます。この仕組みを覚える必要はありませんが、ビタミンB群が酵素と酵素を繋ぐ大変重要な役割を果たしていることだけでも覚えていてください。

 さらに、ビタミンB群は『心』に対しても重要な働きを持っています。実は、心はタンパク質が材料となって作られています。そしてビタミンB群が関わることで「嬉しい」、「楽しい」、「やる気」を感じることができます。そのため、健やかな心を保つためにビタミンB群は必須アイテムなのです。もし、ビタミンB群が不足してしまうと、疲れやすかったり、イライラしたり、風邪を引きやすくなったり、下肢がしびれたり、など身体面だけでなく精神面にも悪影響を及ぼします。

 

厚生労働省では成人の場合、ビタミンB₆の目安摂取量を1.5~1.7㎎、ビタミンB₁₂の目安量を2.4mcg、葉酸の目安量を400mcgと定めています。ビタミンB群は、牛・鶏・豚のレバーやマグロ、納豆や枝豆などに多く含まれていますので、意識して摂取できるといいですね。

ご興味がある方は、下記にビタミンB群1つ1つの働きを表示しておきますので見てみてください。

1.ビタミンB₁(B₁)
糖質をエネルギーに変える 血糖値を下げます!
・アルコールの代謝に関与する
・脳や神経の働きを正常に保つ

2.ビタミンB₂(B₂)
脂質をエネルギーに変える 脂肪じゃなくて生きるエネルギーに変換されます!
・過酸化脂質の分解に関与する
・脳と肝臓の働きに関与する
・皮膚や粘膜の代謝に関与する

3.ナイアシン(N)
脂質や糖質の分解に関与する → ダイエットにちょうどいいです!
・皮膚・粘膜の炎症を防ぐ
・神経症状を防ぐ

4.パントテン酸(P)
たんぱく質・脂質・糖質の代謝に関与する → 多くの重要な働きをしています!
・神経、副腎皮質の機能を正常に保つ
・皮膚や毛根に栄養を与える

5.ビタミンB₆ (B₆)
体タンパクの合成造血に関与する → 筋トレする時には必須ですね!
・脳の働きに関与する
・神経伝達物質の生成や抗アレルギー作用に関与する
・脂質の抗酸化に働く

6.ビタミンB₁₂(B₁₂)
・神経を守り、正常な働きを維持する
ヘモグロビン、赤血球の合成・造血作用に関与する → 貧血予防に作用します!
・たんぱく質の代謝、核酸の合成に関与する

7.葉酸(F)
6と同様の効果を持つ

8.ビオチン(Bio)
皮膚の健康を保つ → 美肌を手に入れます!
・筋肉痛を緩和する
白髪・薄毛を予防する 

今回、難しい話が多かったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!