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骨盤周囲には、両腸骨稜の外唇から上縁に胸腰筋膜、腸骨稜中央から前縁で鼠径部前面から大腿部にかけて大腿筋膜、腸骨稜中央から後縁で殿部後面に殿筋膜がある。全身の中でも皮膚・脂肪の軟部組織が厚いことから、皮膚表面から1~2cmの深さに殿筋膜および大腿筋膜が存在する。腸脛靭帯は、大腿筋膜と殿筋膜が合わさって厚くなって出来ているため、大転子周囲からガーディー結節への徒手的運動療法で腸脛靭帯炎の圧痛が取れない場合は、腸骨稜周囲の大腿筋膜や殿筋膜に対して徒手的運動療法または鍼治療を行なうと、疼痛が軽減または消失することが多い。
骨盤周囲の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)に対しての評価は、胸腰筋膜・殿筋膜・大腿筋膜の圧痛の有無を触診で確認し、同時に疼痛動作の再現をすることで運動痛の有無も確認する。次に、同部位をエコー(超音波画像診断装置)で確認して、異常所見の有無を比較検討する。筋膜の圧痛、運動痛、エコー所見による異常所見、の3つの所見が確認できた場合は、疼痛部位の深さをエコーで確認して鍼治療を行なうと効果的であると考える。鍼治療で疼痛コントロールを行なった後、運動療法や生活指導を継続し、セルフケアにて再発予防をアドバイスすると、さらに効果的であるものと考える。

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