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スポーツ傷害に対するリハビリテーション | 銭田良博ブログ

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スポーツ外傷と障害では、医師・療法士・鍼灸師・トレーナー・選手など関係者の連携による、①治療:損傷された組織の治癒・関節機能(筋力や可動域)の改善、②セルフケア:選手自身の身体特性と障害が生じた理由の理解・フォーム改善、③早期のスポーツ復帰、等が重要である。
オズグッド病では、ジャンプの着地動作などで骨盤前傾(股関節屈曲)および足関節の背屈運動が十分に行われず、膝蓋腱を介した大腿四頭筋による脛骨粗面部への牽引ストレスが増大していることが多い。よって、大腿四頭筋の十分な柔軟性の確保に加え、十分な骨盤の前傾と足関節の背屈を使用した動作を指導する。
シンスプリントでは、Knee-in、toe out(立位膝屈曲時に膝が内側に入り、つま先が外側を向く)の不良姿勢、および下腿後面筋による脛骨付着部の過剰な牽引ストレス等が原因となる。よって、下腿後面筋の十分な柔軟性の確保に加え、股関節から足部までの広い範囲の動作を指導する。
アキレス腱付着部痛では、下腿三頭筋の柔軟性低下を背景にした腱付着部への牽引ストレスが主体であることが多い。一方、足部アーチの増高に伴う踵骨背屈角度増加によって、踵骨隆起が後方に突出し、腱との間で摩擦が生じている例もある。よって、下腿三頭筋や足底腱膜の可動域を十分に確保しつつ、踵骨の過背屈がみられる場合にはヒールパッドを使用した踵骨過背屈位の是正も有用である。
腰椎分離症では、骨盤前傾に伴う腰椎の過度な伸展運動や、股関節ではなく腰を支点とした回旋運動が行われていることが多い。よって、腰椎の伸展・回旋運動を抑制するために、腰部の安定性を高めるための体幹機能練習と隣接関節である股関節および胸椎の可動性を十分に確保した上で、動作を指導する。
先進的な取り組みとしては、①スポーツ現場でのエコーによる病態の適切な把握。②軽度の“肉離れ”や軟部組織損傷時では軟部組織の不安定性をエコーや徒手で評価しつつ、受傷後早期からの損傷部位への適切な刺激量による物理・鍼・運動療法等による早期の競技復帰の可能性も期待される。

(参考文献)
銭田良博: バスケットボールによる急性の軟部組織損傷5例に対する鍼治療と運動療法の併用による治療後の経過について, 第7回JOSKAS, 2015.

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