首こりに対する生活指導を行う目的は、
・首こりの予防
・自分自身が首こりになる原因を正しく理解する
が挙げられます。
予防には、2つの意味があります。
一つはその病気や症状が出ないようにすることで、もう一つは一度その病気や症状になってしまった場合に二度と起こさないこと、つまり「再発防止」の意味です。
西洋医学は従来、予防の後者の意味で発展してきました。
東洋医学は本来、「未病を治す(ちす)」と言いますが、前者の意味で活用されることが多いです。
首こりになる患者様は、最初から首こりだとわかって治療院にいらっしゃる方がとても少ないです。
最初は、肩こりや頭痛と思っていたが首こりが原因だった、という場合が多いです。
そのため、「未病を治す」意味での予防ではなく、「再発防止」の目的で生活指導を行います。
「未病を治す」意味での予防の方が一番良いですが、これは残念ながら本人には気づかないことであり、治療家(セラピスト)でないとわかりません。
首こりになる方はプロの治療家が診ると、
・肩甲骨の周りが硬かったり、
・猫背が原因であったり、
・頚椎のアライメントが不整だったり、
・首のFascia(ファシア)や後頭下筋群が硬い、
などが原因です。
肩こりや頭痛が頻回に起きる場合で、その治療をしても治らない場合は、首こりが原因であることも考えられます。
その場合は、すぐに首こりに関して専門的な知識と経験が豊富な治療院を探して診てもらってください。
生活指導で一番多いのは、首こりになる姿勢を防止することです。
首こりになりやすいのは、以前のブログでも書かせていただきましたが、不良姿勢で長時間スマホ・iPad・パソコン・読書・新聞などを読む、などが原因です。
この場合は、
・できるだけ見ているものを自分の体の正面に持ってきて傾けないようにすること。
・首をすぼめるような高さにならないように、見ているものの位置を合わせること。
・肘掛けなどにより上肢の負担を減らすこと。
などをアドバイスさせていただいております。
加えて、1時間おきくらいに姿勢を変える事も大切です。
他に、ソファーで寝ていた、飛行機・電車・椅子に座っていてうたた寝した、なども挙げられます。
この場合は、なかなか防ぐことができないことですので難しいのですが、最近は飛行機で首の周りを固定して眠れるグッズが売っていたりしますので、仕事の出張や外出の機会が多い場合はそのようなものをお薦めしています。
首こりに対する生活指導で次に多いのでは、NHK「ガッテン!」でもやっていましたが、首こり体操をやったり、または肩甲骨周りの運動を教えることです。
首こりの原因は、最初のところでも書かせていただきましたが、様々な原因でなるため、その人によって適切な運動が違います。
ご自身にとって一番良い運動を、信頼できる治療院へ行ってちゃんと教わってください。
その際、運動の方法・運動量までしっかり教えてもらい、そのやり方や回数を必ず守って行ってください。
もし、熱があったりインフルエンザや寝不足等で体調が悪い場合は、無理しないで運動を行わないでください。
自分自身が首こりになる原因がわからないと、繰り返してしまったりずっと首こりが長引いてしまったりします。
生活指導により、首こりの原因が生活リズム・仕事・習慣・運動不足のどれなのか?を知ることができます。
それが理解できてセルフケアや生活指導が守れれば、どれだけ仕事などが大変だったとしても快適な生活を送ることができると私は考えております。
ちなみに昨日、首こりに対するセルフケア(自分でできるリハビリ)についてお話させていただきました。
https://chiryo.zenita.jp/zenitablog/archives/781
そちらもご参考ください。